概要:司馬遼太郎の長編歴史小説「坂の上の雲」をテーマに設立された「坂の上の雲ミュージアム」と道後温泉のアルバム。ミュージアムでは建築家・安藤忠雄氏設計の三角形館内のひと続きの緩やかなスロープギャラリーをゆっくり巡り、松山出身の正岡子規、秋山好古、秋山真之を主人公とした「坂の上の雲」で描かれているという近代国家日本の形成期について柄にもなく思いをはせてみた。

アクセス:市電道後温泉行「大街道」駅から徒歩約3分で「坂の上の雲ミュージアム」
その他:「坂の上の雲ミュージアム」公式HP、「萬翠荘」公式HP、「愚蛇仏庵」公式HP

愛媛県庁:松山城見学の後、長者ヶ平より徒歩で「県庁裏登城道」を下り愛媛県庁→松山地方検察庁→「坂の上の雲ミュージアム」へ向かう。

坂の上の雲ミュージアム:ミュージアム入り口、コンクリート打ち放しに「坂の上の雲ミュージアム」の文字があった、この時は風で揺れる小枝の陰模様がアクセントになっていた。

坂の上の雲ミュージアム:ミュージアム入り口、城山公園と市街地の境に建つ三角形のミュージアムだ、設計は建築家・安藤忠雄氏で2006(平成18)年11月30日竣工。外周がガラスカーテンウオールで地下1階地上4階、2F-4Fがミュージアムスペースとなっていた。入口(写真左下)から入り北東側の建物外側に沿った屋根のない緩やかなアプローチ・スロープを歩き2Fエントランスへ向かう、緩やかに上るスロープは4F最上階までひと続きになっていて壁面ギャラリーに展開する「坂の上の雲」に関する資料展示を見つつゆっくりと館内を巡る格好になっていた。エントランスのある2Fは無料開放エリアで中央に三角形のホール西側ガラスカーテンウオールに面してミュージアムカフェ付きのライブラリー・ラウンジが開設されていた。
坂の上の雲ミュージアム:2Fのミュージアムカフェとガラスカーテンウオール、「萬翠荘」方面の展望を見ながらゆっくりと過ごす人が数人いた。ラウンジ真上の3Fは展示室1となっている。
坂の上の雲ミュージアム:3Fへのスロープからが有料で、スロープギャラリー(回廊)を巡りながら最上階4Fまでゆっくりと歩く、この日は企画キャラリー「春や昔」を開催していた。コンクリート打ち放しの壁面と階段、デザイナーズミュージアムの雰囲気に浸りつつ三角スロープを周遊する。

坂の上の雲ミュージアム:3F展示室1の西側ガラスカーテンウオール越しに「萬翠荘」を見る、借景にしばし見とれる。

坂の上の雲ミュージアム:3F-4Fのスロープ壁面には産経新聞に連載された「坂の上の雲」1296回分が展示されていた。外周はガラスカーテンウオールでスロープ回廊を挟む内側が耐力壁になっているようだ。採光・スロープ・資料の壁面展示とミュージアムのテーマに合わせたデザイン・設計がなされているとか。

萬翠荘:ミュージアムから見た「萬翠荘」へやってきた、この日は萬翠荘 国重要文化財指定(2011年11月29日指定)記念として、智内兄助(ちないきょうすけ)展が開催されていた。幻想的な画と建物を鑑賞、画は著作物で撮影禁止なので入口付近からの光景を撮る。
萬翠荘:前の写真のステンドグラスを背に1F入口と2Fを見る。「萬翠荘」、1922(大正11)年旧松山藩主の子孫久松定謨(ひさまつ さだこと)伯爵が、別邸として建設したフランス風洋館建築で現在は、美術・芸術関連各種イベントが随時行われているとか。敷地内にあった夏目漱石・正岡子規ゆかりの「愚蛇仏庵」は残念なことに2010年7月12日の記録的豪雨による大規模土砂崩れで全壊してしまっていた。
「萬翠荘」敷地の見事な桜、この日は「マドンナバス」が萬翠荘開館ルートで運行していた。
坊ちゃん列車:萬翠荘から県庁前の通りへ出て市電路線に沿って今宵の宿「道後温泉」まで少し距離があるが歩くことにした、理由は薄暮の「道後温泉本館」を見るためだ。午後4時半「坊ちゃん列車」が走ってきた。
道後温泉公園:道後公園展望台からシルエットの松山城(左)と瀬戸内海を見る。
道後温泉駅:道後温泉駅。
道後温泉駅:現在の道後温泉駅は伊予鉄道100周年事業の一つとして昭和61年に明治の面影を残す形で復元されたものだとか。傍らには夕陽を背に「坊ちゃん列車(はめ込み写真)」が展示されていた。
道後温泉本館:道後温泉駅から「道後商店街」の中を北へ約200m程行き右折すると目の前に”坊ちゃん泳ぐべからず”の「道後温泉本館」の唐破風の入口が見えてきた。
道後温泉本館:明治27年築の道後温泉本館(重文)、右の唐破風が出入り口(入浴券売り場)、3階には「坊ちゃんの間」があるとか。道後温泉には2泊したが、夜は宿でゆったりとした時を過ごしたかったので混雑する本館入浴はパスした。
道後温泉本館: 振鷺閣 (しんろかく)、朝夕に格天井中央に吊した太鼓が打ち鳴らされ時を告げているとか、「残したい日本の音風景100選」に選定されてる。
道後温泉本館:唐破風の道後温泉本館出入り口。はめ込みは横から見た道後温泉本館全景。