概要:弘前城入場受付で購入したのが「3施設共通券」、その中の1施設が大正年代に築かれた弘前出身の実業家藤田謙一の別邸を弘前市が整備した「藤田記念庭園」、弘前公園案内図を見ると追手門から歩いて5分ほどの距離、小雨模様なので少し躊躇するが弘前は初めてなのでとにかく見てみることにした。

宿泊ホテルは藤田記念庭園から約1km、ほぼ中間地点の「青森銀行記念館」に立ち寄り、徒歩でホテルへ向かうことにした。青森銀行記念館は小説人間失格などで知られる太宰治の生家「斜陽館」を設計・施工した堀江佐吉が手がけた明治の洋風建築。

アクセス:弘前城公園追手門から約350m
その他:「藤田記念庭園」、「弘前銀行記念館

藤田記念庭園:小雨でどんよりとした空模様、庭園は園内の崖で区切られた高台部と低地部で構成されていて、こちらは弘前公園に近い東側の高台部入り口。
「藤田記念庭園」:弘前出身の実業家藤田謙一氏の別邸として大正時代に整備・建築された総面積約6,600坪の大規模な庭園。現在の庭園は弘前市市政100周年記念事業として整備・平成3年開館。
藤田記念庭園:東口を入って左の洋館は無料開放されていて1階に喫茶室、2階に2つのレンタル会議室あるとか、この後「青森銀行記念館」へ立ち寄るため時間的に余裕がないので洋館へは立ち寄らず庭園へ。
藤田記念庭園:高台側の庭園入り口。
藤田記念庭園:高台側庭園には和館と考古館がありこちらが和館母屋で書院造り、左側に岩木山を望む離れの別棟があり廊下で連結されている。残念ながらこの天候で岩木山を眺望することは出来なかった。
藤田記念庭園:高低差13mの低地部庭園へ下りる階段、広い敷地に池と茶屋、高台と低地を仕切る崖に滝の構成。
藤田記念庭園:低地部は池泉回遊式庭園、菖蒲田に懸かる木道。
藤田記念庭園:高台と低地の間の崖に滝と朱塗りの反り橋、流れ落ちた水は菖蒲田を経て池へと注がれる。
青森銀行記念館:「第五十九国立銀行」として明治37年11月(1904)竣工・営業開始、昭和18年10月(1943)青森県内5行が合併して「株式会社青森銀行」創立、弘前支店となり、その後弘前支店新築のため現在地(といっても50m程の移動)へ移動「青森銀行記念館」として現在に至る。
昭和47年国の重要文化財指定を受けている。正面、見事なまでに左右対称、ルネッサンス風建築だとか。閉館時間まで約30分、急いで入館する。
青森銀行記念館:防火のため土蔵造りの構造を取り入れているとか。雪国弘前に自然にとけ込む色合・質感だと感じた。屋根の縁に雪止めを兼ねた飾り手すり壁が見られる。
青森銀行記念館:入館する、一変して館内は暖かな雰囲気。
青森銀行記念館:柱は青森県産の「ケヤキ」だとか、木目が美しかった。
青森銀行記念館:1階資料展示スペース、この時来館者は他に1人だった。
青森銀行記念館:正面玄関から入るとロビー、左手の「曲がり階段」は青森産ケヤキ材、一時期取り外されていたが、昭和59年の保存修理工事で復元されたとか、往時は大株主専用階段だったとか。
青森銀行記念館:曲がり階段で2階へ。
青森銀行記念館:小会議室、天井に「金唐革紙(きんからかわかみ)」が張られている。これは珍しい!説明板を見ると現存はここと旧日本郵船小樽支店のみだとか、以前東京の旧岩崎邸で復元された金唐革紙を見たが、まさか弘前で本物に出会えるとは思っていなかった。
青森銀行記念館:壁面は「張り瓦」といわれる工法で、外観からは想像が出来ないが、下地板に素焼きの瓦(24x24x2cm)を張り詰め、その上に漆喰を塗り重ねたものとか、防火・不燃対策のようだ。
青森銀行記念館:2階大会議室、金唐革紙の華麗な天井、格天井風な飾り格子に和洋渾然一体の不思議な雰囲気だ。
青森銀行記念館:案内図。午後4時半近く間もなく閉館時間だ、ホテルへ向かいチェックイン後大浴場で旅の汗を流し、近くの居酒屋で津軽弁と地酒を堪能...