概要:斑鳩の里散策後半は、「法隆寺五重塔」→「法輪寺三重塔」→「法起寺三重塔」の順で三塔を巡ってみた。午後の天気は午前中より晴れ間の時間がやや長くなってきた。法隆寺、聖徳太子ゆかりの寺で世界最古(飛鳥時代)の木造建築にして日本初の「世界文化遺産(法隆寺地域の仏教建造物)」そして多くの国宝・重要文化財を有し日本を代表する仏教文化の聖地だ。法隆寺を起点に斑鳩の里で三塔巡りをしてみた。

アクセス:JR奈良駅で奈良交通バスで「法隆寺門前」行きで8分
参照HP:「法隆寺」、「法輪寺」、「法起寺

法隆寺:法隆寺表門、国宝「南大門(室町時代1438年再建)」この位置では五重塔は見えない。門の両脇土塀は鳳凰が羽ばたいたようにカーブしている。
法隆寺:南大門をくぐるとこのような重厚にして端正な飛鳥時代の五重塔と中門が目の前に展開する。五重塔を含む西院伽藍は現存する日本最古の木造建築だとか、日本で最初の「世界文化遺産」にリストされたことでも知られる。
法隆寺:中央やや下が最もふくらみ上方へ徐々に細くなる柱がパルテノン神殿の”エンタシス”式と似ていることでも知られる。回廊の柱も同様だった。
法隆寺:大講堂、925(延長3)年に落雷で消失、990(西暦元)年再建なので平安時代の築。
法隆寺:五重塔と金堂は回廊で囲まれた西院伽藍に属し、有名な夢殿は東院伽藍に属している。
法隆寺:相変わらずの気まぐれ天気が続いていた。
法隆寺:西院伽藍をでて、夢殿のある東院伽藍へ向かう。
中宮寺:現「中宮寺」は法隆寺東院伽藍に隣接しているが、東約400mのところに遺構があるという。あまりにも有名な飛鳥彫刻の最高傑作とされる「国宝 菩薩半跏像」でも知られる尼門跡寺院。
中宮寺:現在の本堂は1968(昭和43)年に建設されたとか、中から録音されたガイダンスが聞こえてきた残りの2塔を巡るために短時間「国宝 菩薩半跏像」を鑑賞しそそくさと本堂を跡にした。
法隆寺:中宮寺を出て法隆寺山内を法輪寺→法起寺方向へ進む。要所にこのような案内板(比較的高い所に設置されているので遠くからも確認しやすい)があるので迷うことはない。
法隆寺:このような雰囲気の法隆寺山内を案内板を頼りに歩いてゆくとやがて田舎道となる。
法輪寺:案内板に従って15分ほどのどかな田舎道(車両の通行は多かった)を歩くと、前方に「法輪寺」の山門と三重塔が見えてきた。
法輪寺:表門から入る、境内参観自由だった。
法輪寺:伽藍は法隆寺西伽藍を小さくしたような雰囲気で左から右へ三重塔、講堂、金堂。三重塔は1944(昭和19)年落雷により消失し国宝指定を取り消される。再建は国宝指定解除による財政的な問題で困難を極め何度も停滞しながら2代にわたる住職の全国勧進行脚などにより、1975(昭和50)年宮大工棟梁西岡常一氏のもと創建当初と同じ姿で再建されたとか。そのような理由で「世界遺産」には含まれていない。ともあれ規模を別にして飛鳥時代の端正な仏教建築を充分に堪能させていただいた。
法起寺:「法起寺」は「法輪寺」から西へ800m程のところにあり法隆寺地域の仏教建造物の一部として世界文化遺産に登録されている。西門から入るとほぼ正面に小さな池がありその奥に三重塔がある。法起寺の沿革によれば、法隆寺、四天王寺、中宮寺などと共に聖徳太子建立7ヶ寺の一つに数えられるという由緒あるお寺だ。
法起寺:三重塔は池を挟んで境内の東側奥に建っている。建立は706(慶雲3)年と伝わるといい、現存する最古の三重塔だとか。
法起寺:講堂と三重塔。
法起寺:聖天堂と三重塔。
法起寺:外から見る「法起寺」、華やいだ花の季節にも訪れてみたい。
法隆寺:法起寺をでて、バス停へ向かうつもりだったが、何故か薄暮の法隆寺を見たくなり法隆寺へ戻ってきてしまった。静けさが漂う法隆寺でカメラを仕舞った。