概要:前日は甲斐の華やかな桜吹雪に癒され、上諏訪で一泊。翌朝8時半頃中央本線の「奈良井」駅に下り立つ、この駅で下車したのは5-6名程だった。奈良井宿、木曽11宿の一つで北から2番目に位置し、江戸時代の宿場町の面影を色濃く残している。奈良井駅から南西に約1キロ続く朝の宿場町を往時の賑わいを想像しつつ散策。

その他:「奈良井宿観光協会」公式HP、奈良井宿PDF版マップ

アクセス:JR中央本線「奈良井駅」下車すぐ
その他:「奈良井宿観光協会」公式HP

奈良井宿:レトロな雰囲気の中央線「奈良井」液の駅舎から出て左へほんの少し歩くと、そこが「木曽路 奈良井宿」の北側(江戸側)入口。島崎藤村の「夜明け前」冒頭の記述「木曾路はすべて山の中である」を実感。
奈良井宿:整備され見事に蘇った江戸時代の宿場町情景、独特の出梁の軒先が両側から迫り街道を覆い空と山並みを際だたせていた。
奈良井宿:宿場は北から「下町」、「中町」そして「上町」となっている。京の都に近い南側が上町で江戸に近い北側が下町となっている。町家の間の山側にこのような水場が6ヶ所ほど設けられていた。
奈良井宿:朝、静かな宿場町、日差しが片側に射し路面もまだ日陰になっている。
奈良井宿:民宿と漆器店、森林資源に恵まれ、かつて盛んだった木工業の面影を感じる、漆器・木工芸品を扱う店もそこかしこで見られた。
奈良井宿:北側から1/3程の所水場と並んで「伝統的建造物群保存地区」選定の碑がたてられている。
奈良井宿:春の木曽路、落葉樹の芽吹きは未だだった。平入り切り妻で深い奥行きに出梁の町家造りの側面を見る。
奈良井宿:宿場町の中央あたりだろうか、傾いていた日が少し上がり街道の半分ほどに日が射してきた。未だ、観光客の姿を見ず。
奈良井宿:重ね板の「鎧庇(よろいびさし)」上に波打つ「猿頭(さるがしら)」と呼ばれるサン木が格子とともに独特な雰囲気を醸し出していた。市指定有形文化財中村邸、有料公開されている、平入りに設けられたくぐり戸から入り見学、細長い邸内は手前から店の間→勝手→中の間→座敷の構成で、裏に出ると簡素な中庭を挟んで奥に蔵があった。
奈良井宿:他の町家に比べて間口の広い「手塚家住宅」は国指定重要文化財で「上問屋資料館」として有料公開されている。奈良井駅から2/3程の所、このあたりは道幅が広くゆったりとした町並になっている。
奈良井宿:来た道を振り返り上問屋資料館近くから奈良井駅方向の情景。奈良井宿独特の二階がほんの少しせり出た出梁(だしばり)造りに鎧庇、下から仰ぎ見るとなかなかの雰囲気だ。
奈良井宿:街道の上町、中町、下町の西斜面に寺と神社が建っている。鍵の手北側の「長泉寺」。
奈良井宿:山門と扁額。
奈良井宿:斜面に石垣の基礎が建つ鐘楼と本堂。長泉寺は、ズイズイズッコロバシ..で知られる茶摘(宇治茶)みの時期に「お茶壺道中」の宿泊所としても使われていたとか。
奈良井宿:中町と上町の境目あたりで街道が一旦折れ曲がっている、これを「鍵の手」と呼ぶとか。
奈良井宿:鍵の手の水場。鍵の手を境に上町は下町同様に道幅が狭くなる。
奈良井宿:出梁と鎧庇とうだつの町家が木曽路最大の難所鳥井峠の登りが始まるあたりまで続く。
奈良井宿:奈良井宿の最南端(京都側)、復元された「高札場」、左奥の朱色は市指定有形文化財「鎮神社(しずめじんじゃ)」。ここから南へ急坂の山道を辿り小一時間で木曽路最大の難所「鳥井峠」へ...今回鳥井峠越えはせず、ここから来た道を引き返し途中で時間調整(奈良井駅に停車する列車は1時間に1本程度)を兼ねて昼食。機会が有れば「妻籠」、「馬籠」も見てみたい。